水産加工の仕事とは?仕事内容やきつさを6年間働いた経験者が解説

水産加工 キャリア

水産加工の仕事に興味があるけれど、

「具体的に何をするの?」

「魚をさばく仕事なの?」

「水産業だからやっぱりきつい?」

と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。

私は水産加工会社の工場で約6年間働いていました。

水産加工と聞くと、魚を一匹ずつ包丁でさばく職人のような仕事を想像するかもしれません。

もちろん、そういった仕事もあります。

しかし、実際に私が働いていた現場は、かなり機械化されていました。

海藻を扱う部門もありましたし、取引先から注文を受け、その要望に合わせて商品を加工・計量・包装し、納品するという仕事もあります。

この記事では、私が6年間働いた経験をもとに、水産加工の仕事内容や大変だったこと、漁師やスーパーの鮮魚部門との違い、さらに水産加工で働くならどんなキャリアを考えればいいのかまで紹介します。


  1. 水産加工の仕事とは?
  2. 水産加工では具体的に何をする?
    1. ブリなら三枚おろしやトレー加工
    2. ハモは専用の機械で骨切りする
  3. 海藻も水産加工の対象になる
  4. 取引先の注文に合わせて加工する
  5. 水産加工=魚を包丁でさばく仕事ではない
  6. 水産加工の仕事で重要なのは「時間・正確性・体力」
    1. 時間――生ものだから納期がある
  7. 正確性――数量や重量を間違えられない
  8. 体力――意外と汗をかく仕事
  9. ただし、漁業とは働き方がかなり違う
  10. 水産加工とスーパーの鮮魚部門は何が違う?
  11. スーパーの鮮魚部門は職人的な世界でもある
  12. 水産加工はかなり機械化されている
  13. 水産加工は女性でも働きやすい?
  14. 水産加工の仕事は人間関係も意外と大変
  15. 「魚を扱う仕事」から「人を動かす仕事」へ
  16. 水産加工の仕事は繁忙期がある
  17. 水産加工の仕事で感じたメリット
    1. 水産業界に関われる
    2. 屋内で安定した働き方ができる
  18. 水産加工は「水産業に興味があるけど漁師は厳しい」という人にも向いている
  19. 水産加工で働くなら「作業員」で終わらないほうがいい
  20. 役職につくと「水産業界全体」が見えてくる
  21. 水産業界で働くなら、人脈も大きな財産になる
  22. 水産加工の仕事に向いている人
    1. コツコツ作業できる人
    2. 時間を守れる人
    3. ある程度体力がある人
    4. 周囲と協力できる人
    5. 水産業に興味がある人
  23. 逆に、水産加工の仕事が合わない人
    1. 単純作業を続けるのが苦手な人
    2. 時間を意識するのが苦手な人
    3. 体を動かすことが極端に苦手な人
    4. 周囲とのコミュニケーションが苦手な人
  24. 水産加工の仕事を6年間経験して感じたこと
  25. まとめ
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水産加工の仕事とは?

水産加工業

ものすごく簡単に説明すると、水産加工とは、

漁師や養殖業者などから仕入れた水産物を、スーパーや市場などの取引先が扱いやすい形に加工する仕事

です。

私はこれを、ざっくり言えば「水産業の中間加工」だと考えています。

例えば、漁師さんが魚を獲ったとします。

その魚を、そのまま消費者が買って食べるわけではありません。

水産加工会社などが間に入り、

漁師・養殖業者

水産加工業者

スーパー・市場・その他の取引先

消費者

という流れを作ります。

もちろん、実際の流通経路は商品や会社によって違います。

ただ、私が働いていた卸の工場では、まさにこの「生産者と販売側の間」を担っていました。


水産加工では具体的に何をする?

疑問

では、水産加工会社では実際に何をしているのでしょうか。

ここは具体例を出したほうが分かりやすいと思います。

ブリなら三枚おろしやトレー加工

鰤

例えば、地場で獲れたブリが加工場に入ってきたとします。

そのまま一匹の状態でスーパーなどに渡すのではなく、頭を落としたり、三枚におろしたりして、取引先が扱いやすい状態にします。

その後、必要なサイズや形にして、トレーなどに詰めます。

こうしてスーパーなどに納品されます。

スーパー側では、そこからさらに刺身用に切って盛り付けたり、しょうゆやワサビを添えたりして、「お客様が買ってそのまま食べやすい商品」に仕上げることもあります。

つまり、水産加工会社とスーパーでは、同じ「加工」でも担当する部分が違います。


ハモは専用の機械で骨切りする

鱧

もう一つ、分かりやすい例がハモです。

ハモは小骨が多い魚ですが、とても美味しい魚です。

そこで専用の機械を使って骨切りをします。

その後、一口サイズなどに加工して、決められたグラム数に分け、袋やトレーに詰めます。

ここで重要なのは、単純に「魚を切る」ことではありません。

取引先から、

「この商品をこのサイズで」

「このグラム数で」

「これだけの数量が欲しい」

という注文が入れば、それに合わせて商品を作ります。

つまり水産加工は、魚を食べやすくするだけではなく、取引先が販売しやすい商品に仕上げる仕事でもあります。


海藻も水産加工の対象になる

わかめ

水産加工というと、魚をイメージする人が多いと思います。

しかし、私が経験した仕事では、海藻も重要な原料でした。

例えば、取引先のわかめ漁師さんから、塩で圧縮されたわかめを大量に仕入れます。

この段階では、スーパーで売っているような状態ではありません。

そこで会社の設備を使って、水で元の状態に戻しながら汚れを落とします。

その後、重量を測り、決められたグラム数に合わせてトレーや袋に詰めます。

つまり、

漁師さんが生産した原料

水産加工会社で戻す・洗浄する・計量する

商品として包装する

取引先へ納品

という流れです。

この仕事を経験すると、水産加工というのは「魚をさばく仕事」というより、

「水産物を商品として流通させるための仕事」

というほうが実態に近いと感じます。


取引先の注文に合わせて加工する

取引先

私が働いていた卸の工場では、こちらが勝手に商品を作っていたわけではありません。

スーパーや市場、その他の取引先から、

「これを何個欲しい」

「この商品を何グラムで作ってほしい」

といった注文が入ります。

その注文に合わせて加工し、袋やトレーに詰めます。

そして必要な商品が揃ったら、運送業者などを通して取引先へ納品します。

この一連の流れを考えると、水産加工会社はかなり「中間」に位置しています。

漁師さんが作った水産物を仕入れ、それを販売側が扱いやすい商品に変え、次の流通へ渡す。

これが水産加工の大きな役割です。


水産加工=魚を包丁でさばく仕事ではない

多岐にわたる仕事

ここは、これから水産加工の仕事を探す人には知っておいてほしいところです。

水産加工と聞くと、

「魚を一匹ずつ三枚おろしにするのかな」

と思う人もいるかもしれません。

しかし、会社によって仕事内容はかなり違います。

私が働いていた会社でも、機械化された工程がかなりありました。

私自身も、普段から包丁を握って魚を三枚におろしていたわけではありません。

年末の会社の大売り出しを手伝ったときなどは魚を扱うこともありましたが、普段は機械を使った部門や海藻部門が中心でした。

そのため、

「魚をさばくのが得意じゃないから水産加工は無理」

とは限りません。

求人を見るときは、「水産加工」という職種名だけを見るのではなく、実際にどの工程を担当するのかまで確認したほうがいいでしょう。


水産加工の仕事で重要なのは「時間・正確性・体力」

総合力

私が6年間働いて感じたのは、水産加工の仕事では、

時間・正確性・ある程度の体力

この3つがかなり重要だということです。

時間――生ものだから納期がある

時間

まず時間です。

水産物は生ものなので、加工した商品をいつまでも工場に置いておくわけにはいきません。

取引先から注文された数量を、決められた時間までに加工して納品する必要があります。

「今日は疲れたから明日にしよう」というわけにはいきません。

もちろん、実際の納期やスケジュールは会社や商品によって違います。

それでも、生ものを扱う仕事なので、一般的な工場以上に時間や納期を意識する必要がある仕事だと私は感じていました。


正確性――数量や重量を間違えられない

ダーツ

次に正確性です。

例えば、

「この商品を○○グラム」

「この商品を○○個」

という注文が入っているのに、それを間違えてしまえば取引先にも迷惑がかかります。

場合によってはクレームにもなります。

水産加工の仕事は、一見すると、

「魚を切る」

「袋に入れる」

「トレーに乗せる」

といった単純作業に見えるかもしれません。

しかし実際には、

決められたものを、決められた数量・重量で、決められた時間までに仕上げる

ことが重要です。

例えば、氷を打って発泡スチロールを閉じるといった作業でも、雑にやればいいわけではありません。

一つひとつの作業を正確に積み重ねる必要があります。


体力――意外と汗をかく仕事

体力

そして体力です。

ここは私自身の経験をかなり具体的に話せます。

私は海藻部門にいたので、塩などで小さく圧縮され、段ボールに包装されたわかめ原料がトレーラーで届くことがありました。

一箱はだいたい10kgほど。

それを倉庫にひたすら積み上げます。

10kg程度なら、一箱だけ持つ分にはそこまで重く感じないかもしれません。

しかし、積載量14トントラックのコンテナの奥までギチギチに積まれた原料を、すべて積み下ろすとなると話は違います。

真冬でも汗まみれになることがありました。

「水産加工=涼しい場所で魚を触る仕事」というイメージだけだと、ここは意外かもしれません。

水産加工には、こうした原料を運ぶ仕事や立ち作業もあります。


ただし、漁業とは働き方がかなり違う

漁業

ここで誤解してほしくないのは、

水産加工も体力仕事だから、漁師と同じくらい過酷

というわけではないことです。

私は漁師として働いた経験はないので、ここについては自分の経験ではなく、仕事を通じて関わった人たちから聞いた話や、取引先に行ったときに感じた範囲での話になります。

漁業は天候の影響を大きく受けます。

炎天下での仕事もありますし、時化などによって仕事が左右されることもあります。

体力勝負の仕事です。

一方、私が働いていた水産加工場は主に冷房の効いた屋内でした。

原料を運ぶなど体力を使う仕事はありましたが、少なくとも天候そのものに仕事を左右される環境ではありませんでした。

この違いは、水産業で仕事を選ぶうえではかなり大きいと思います。

水産加工とスーパーの鮮魚部門は何が違う?

スーパー鮮魚

水産業界で働く場合、水産加工会社だけでなく、スーパーの鮮魚部門という選択肢もあります。

どちらも魚や海産物を扱いますが、実際に働いてみると、求められるものはかなり違います。

水産加工会社の場合、基本的には取引先から注文された商品を、決められた仕様・数量・時間で仕上げることが重要です。

一方、スーパーの鮮魚部門では、その先にお客様がいます。

例えば、

「この魚はどんな味ですか?」

「どうやって食べるのがおすすめですか?」

と聞かれたときに、きちんと答えられれば販売にもつながります。

つまり、鮮魚部門では魚の知識だけでなく、接客やコミュニケーション能力も必要になります。


スーパーの鮮魚部門は職人的な世界でもある

魚をさばく人

私は数年前、鮮魚専門のスーパーを実際に受けたことがあります。

そこで感じたのが、鮮魚部門はかなり職人的な世界だということです。

魚を刺身にする場合でも、ただ切ればいいわけではありません。

見た目がきれいか。

切り方が揃っているか。

商品として魅力的に見えるか。

そして、決められた時間内にどれだけ仕上げられるか。

こうした技術が売上にも影響します。

実際、仕事を通じて知り合った人が、後に私が受けたスーパーで働いていたことがあり、その人からも鮮魚の仕事は「腕が大事な世界」だという話を聞きました。

これは水産加工とは少し違うところです。

水産加工でも技術は必要ですが、私がいた工場では機械化された工程も多かったため、職人として包丁一本で勝負するというより、決められた工程を正確に回していくことのほうが重要でした。


水産加工はかなり機械化されている

水産機械

水産加工の仕事を知らない人には、ここも意外かもしれません。

「水産加工」と聞くと、

魚を並べる。

包丁で三枚におろす。

パックに詰める。

という昔ながらの職人仕事をイメージするかもしれません。

もちろん、そうした工程もあります。

しかし、私が働いていた工場では、かなり機械化されていました。

魚の加工でも専用の機械を使いますし、海藻の加工でも設備を使って処理します。

そのため、水産加工は「職人の技術だけで成り立っている業界」ではありません。

むしろ一般的な食品工場に近い部分もあります。

機械を正しく扱い、決められた工程を守り、一定の品質の商品を安定して作る。

こうした能力も重要です。


水産加工は女性でも働きやすい?

水産加工

私の経験では、女性の従業員も多くいました。

もちろん、原料を運ぶなど体力が必要な工程もあります。

しかし、工場内のすべての仕事が重労働というわけではありません。

機械化された工程もありますし、計量や包装など、それぞれの工程で求められる仕事内容も違います。

私が働いていた工場は屋内でしたし、漁業のように海に出るわけでもありません。

そのため、

「水産業=男性向けの仕事」

と考える必要はないと思います。

実際の仕事内容は会社や担当部署によって違うので、求人を見るときには、重量物をどの程度扱うのか、どんな工程なのかを確認するのがおすすめです。


水産加工の仕事は人間関係も意外と大変

人間関係

ここは、実際に工場で働いてみないとなかなか分からない部分です。

工場の仕事というと、

「一人で黙々と作業する」

というイメージがあるかもしれません。

確かにそういう工程もあります。

しかし、工場全体を見れば、かなり多くの人が関わっています。

私が働いていた現場では、ベトナムから来た実習生など、外国人スタッフと一緒に仕事をすることも多くありました。

そうなると、自分の作業だけをやっていればいいわけではありません。

作業を教えたり、仕事の進め方を伝えたり、分からないことに対応したりする必要があります。

忙しくなれば、

「この工程に何人必要なのか」

「誰をどこに配置するのか」

「どうすれば作業が止まらないのか」

といったことも考えなければなりません。

つまり、ある程度経験を積んでくると、自分一人が作業できるだけでは不十分になってきます。


「魚を扱う仕事」から「人を動かす仕事」へ

マネジメント

これは水産加工で長く働くうえで、意外と重要なポイントだと思います。

新人のうちは、自分に与えられた仕事を覚えることで精一杯です。

しかし、経験を積んでくると、周囲を見る必要が出てきます。

自分の作業が早くても、前の工程が遅れていれば商品は完成しません。

逆に、自分の工程だけ頑張っても、後ろの工程に人が足りなければ工場全体が詰まります。

さらに、繁忙期になれば普段以上に人員が必要になります。

そこで、

「自分が作業する」から「みんなが作業できるようにする」

という視点が必要になります。

私は、このあたりから水産加工の仕事は単純な工場作業ではなくなってくると思っています。


水産加工の仕事は繁忙期がある

繁忙期

水産加工の仕事には繁忙期があります。

私が働いていたところでは、秋が終わって年末に近づいてくると、仕事量が増えて忙しくなりました。

年末は食卓に魚介類が並ぶ機会も増えるので、それに合わせて商品の動きも大きくなります。

当然、注文が増えれば工場の仕事量も増えます。

忙しい時期には体力的にも大変ですし、納期に間に合わせるためにスピードも求められます。

ただ、繁忙期が一年中続くわけではありません。

私の職場では、それ以外の時期は定時で帰れることも多く、休日も固定されていました。

そのため、

「水産加工=一年中ずっと忙しい」

というわけでもありません。

このあたりも会社によって違うので、求人を見るときは繁忙期や残業について確認しておくといいでしょう。


水産加工の仕事で感じたメリット

メリット

6年間働いた経験から、水産加工のメリットもいくつか感じています。

水産業界に関われる

まず、水産業そのものに関われることです。

漁師さんや養殖業者から原料を仕入れ、それを加工してスーパーや市場などへ届ける。

実際に仕事をしていると、水産物が消費者のところまで届く流れが分かってきます。

魚が好きな人や、水産業に興味がある人には面白い仕事だと思います。


屋内で安定した働き方ができる

私が働いていた工場は屋内でした。

漁業のように天候に左右される仕事ではありません。

休日も固定されていました。

さらに、繁忙期以外は定時で帰れることも多く、ボーナスも支給されていました。

もちろん、これはあくまで私が働いていた会社の話です。

水産加工会社ならどこでも同じ条件というわけではありません。

ただ、水産業だから働き方が全部が全部不安定とは限らないということは、実際に働いた経験から伝えられます。


水産加工は「水産業に興味があるけど漁師は厳しい」という人にも向いている

漁業

私は、水産業に興味がある人には水産加工も選択肢に入れていいと思っています。

漁師や養殖業は、一次産業そのものを担う仕事です。

自分が生産者になるという大きなやりがいがあります。

一方で、天候や体力面など、非常に厳しい仕事でもあります。

実際、養殖の現場では水槽を自分たちで掃除したり、餌の与え方によって商品の品質が変わったりするなど、かなりシビアな仕事だと聞いています。

その分、会社員として養殖などに携わる場合でも、条件が良いケースがあります。

ただ、やはりハードです。

水産加工は、その間に位置します。

水産業には関わりたい。でも漁業ほどの過酷な環境は難しい。

そんな人にとっては、比較的バランスの取りやすい仕事だと思います。


水産加工で働くなら「作業員」で終わらないほうがいい

キャリアパス

ここは、これから水産加工の仕事を始める若い人に特に伝えたいことです。

もし水産加工会社に入ったのであれば、単純に目の前の作業を覚えて、それだけで終わってしまうのは少しもったいないと思います。

できるのであれば、

  • 生産管理
  • 現場リーダー
  • 工場長
  • 品質管理
  • 人員管理

など、工場を管理する側を目指してほしいです。

なぜなら、水産加工会社には非常に多くの人が関わっているからです。

漁師。

養殖業者。

スーパー。

市場。

運送会社。

そして、工場で使用する専門機械を扱う商社の営業マン。

こうした人たちと仕事をする機会があります。


役職につくと「水産業界全体」が見えてくる

俯瞰

一般の作業員として働いていると、自分が担当している工程が中心になります。

しかし、生産管理や工場長などの立場になれば、もっと広い範囲を見る必要があります。

「原料がいつ入ってくるのか」

「どれだけ注文が入っているのか」

「工場をどう動かすのか」

「人をどう配置するのか」

「取引先にどう納品するのか」

など、考えることが増えます。

その分大変ですが、水産業界の解像度は一気に上がると思います。

これは転職するときにも武器になります。


水産業界で働くなら、人脈も大きな財産になる

人脈

私が水産加工の仕事をしていて感じたのは、人とのつながりの大きさです。

水産業界は、

「自分の会社の中だけで仕事が完結する」

という世界ではありません。

原料の生産者。

スーパーなどで商品を買う消費者。

出荷し卸先へ運んでくれる運送業者。

加工機械を提供する専門商社の営業マン。

さまざまな人が関わっています。

そうした仕事上の接点から、思わぬところで知り合いにつながることもあります。

実際、上京転職して仕事を通じて知り合った人が、後になって私が受けた鮮魚専門スーパーで働いていることもありました。

こういうことがあると、

「世間は意外と狭いな」

と感じます。

だから私は、人脈は大いに越したことがないと思っています。

特に役職につけば、自分が担当する範囲が広がるため、自然と関わる人も増えていきます。

これは単純な「人脈作り」というより、仕事を通じて信頼関係を積み上げていくことです。

若いうちから水産加工会社で働くのであれば、目の前の作業だけではなく、周囲の仕事にも興味を持っておくと、その後のキャリアにもつながりやすいと思います。


水産加工の仕事に向いている人

向いている人

ここまでの経験から考えると、水産加工の仕事に向いているのは、次のような人です。

コツコツ作業できる人

決められた工程を繰り返し、正確に作業することが多いためです。

時間を守れる人

水産物は生ものなので、納期を守ることが重要です。

ある程度体力がある人

原料を運んだり、立って作業したりすることがあります。

周囲と協力できる人

工場は一人では動きません。

特に経験を積むと、周囲との連携が重要になります。

水産業に興味がある人

魚や海藻が好きなら、仕事そのものに興味を持ちやすいでしょう。

ただし、魚が大好きでなければ働けないわけではありません。

私自身も、仕事を経験する中で水産業界の仕組みを知っていきました。


逆に、水産加工の仕事が合わない人

向いてない

反対に、次のような人は苦労する可能性があります。

単純作業を続けるのが苦手な人

工程によっては同じ作業を繰り返します。

時間を意識するのが苦手な人

納期があるため、自分のペースだけで仕事を進めるのは難しいです。

体を動かすことが極端に苦手な人

担当工程によっては、原料を運ぶなど体力を使います。

周囲とのコミュニケーションが苦手な人

工場だから人と関わらない、というわけではありません。

特に経験を積めば、人員配置や新人教育など、人と関わる仕事も増えていきます。


水産加工の仕事を6年間経験して感じたこと

かんじたこと

水産加工の仕事は、決して楽な仕事ではありません。

納期があります。

数量や重量を間違えない正確性も必要です。

原料を運ぶなど体力を使うこともあります。

年末などの繁忙期には仕事量も増えます。

さらに経験を積めば、外国人スタッフを含めた人員管理など、工場内の人間関係や現場を回す難しさも出てきます。

一方で、私が働いていた環境では屋内で働くことができ、休日も固定されていました。

繁忙期以外は定時で帰れることも多く、ボーナスもありました。

漁師のように天候に直接左右される仕事でもありません。

スーパーの鮮魚部門のように、お客様を目の前にして接客する仕事でもありません。

その意味では、私は水産加工を、

「体力・正確性・技術・コミュニケーションのバランスが取れた水産業の仕事」

だと感じています。

そして何より、水産加工会社で働くと、水産業界全体の流れが見えてきます。

漁師や養殖業者から原料を仕入れ、それを加工し、スーパーや市場などへ届ける。

その途中には、運送会社や機械メーカー、専門商社など、さまざまな仕事があります。

6年間働いたからこそ分かったのは、水産加工は単なる「魚を加工する仕事」ではないということです。

水産物を生産者から消費者へつなぐ仕事でもあります。


まとめ

まとめ

水産加工の仕事は、漁師や養殖業者などから仕入れた水産物を、スーパーや市場などの取引先が扱いやすい形に加工する、いわば水産業の中間加工を担う仕事です。

魚の三枚おろしだけではありません。

機械加工、海藻加工、計量、袋詰め、トレー加工、出荷など、会社によって仕事内容は大きく異なります。

私が6年間働いた経験からすると、特に重要なのは、

  • 納期を守る時間管理
  • 数量・重量を間違えない正確性
  • 原料を扱うための体力
  • 周囲と協力して働く力

です。

また、水産加工の現場はかなり機械化されており、女性の従業員も多くいました。

外国人スタッフと一緒に働く機会もあり、経験を積めば新人教育や人員管理など、単純な作業以外の仕事も増えていきます。

そして、もし水産加工会社で長く働くのであれば、私は生産管理や工場長など、工場を管理する側を目指すことをおすすめします。

漁師、養殖業者、スーパー、市場、運送会社、専門商社など、さまざまな関係者と仕事をすることで、水産業界そのものへの理解が深まるからです。

水産業に興味はあるけれど、漁師のような働き方は自分には厳しい。

魚や海藻に関わる仕事がしたい。

工場でコツコツ働きたい。

そんな人にとって、水産加工は意外と間口の広い仕事だと思います。

ただし、求人を探すときは「水産加工」という職種名だけで判断しないようにしてください。

魚なのか、海藻なのか、機械加工なのか、包装なのか、出荷なのか。

同じ水産加工でも、会社や部署によって仕事内容はかなり違います。

自分がどんな仕事をするのかを求人票でしっかり確認して、面接でも踏み込んでみるといいと思います。

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