水産業界はブラックといわれる理由8選!6年働いて経験した現場と会社による違い

ブラック企業 キャリア

水産業界ってブラックなの?

これ、これから水産業界で働こうとしている人なら気になるところだと思います。

私自身、水産業界で6年ほど働いていました。

「数十年選手です」とまでは言えませんが、6年もいると、それなりにいろいろ見ます。

「これ、ブラックじゃね?」

「これブラックって言われても仕方ないんじゃね?」

と思う場面もありました。

一方で、2社目に転職すると労働環境はかなり違いました。

そのため、最初に結論を言ってしまうと、

水産業界だからブラック、というわけではありません。

ただし、会社や職種、工場によっては、ブラックと言われても仕方ないような労働環境が存在するのも事実です。

私は1社目が中小の水産卸・加工業者、2社目が全国展開する水産専門商社でした。

私自身が経験したのは主に工場ですが、仕事を通じて漁業従事者や卸先の商店とも関わってきました。

今回は、そんな私が実際に経験した水産業界のリアルを、書いていきます。

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水産業界がブラックと言われる理由① 基本的にOJTだった

ojt

まず1社目の話です。

入社初日。

挨拶もそこそこに、現場のリーダーから、

「はい、台のその位置立って」

と言われました。

数分後。

突然、作業開始。

私は何をするのか。

わかめの選別・計量です。

もちろん、作業自体はそこまで難しいものではありません。

ただ、丁寧な研修があって、

「まずはこちらをご覧ください」

「次にこの工程を覚えてください」

「わからないことがあれば何でも聞いてくださいね」

みたいな世界ではありません。

両隣の人に、

「これどうするんですか?」

「これで合ってます?」

と聞きながら覚えていく。

いわゆるOJTです。

「現場に立て。あとは周りを見ろ。」

くらいの勢いでした。

もちろん工場以外の水産業界がすべてこうだとは思いません。

ただ、現場によっては新人をじっくり教育する余裕がない。

これが水産業界の人手不足とも関係しているように感じました。

水産業界がブラックと言われる理由② 人手不足なので採用がかなり緩い

人手不足

これも1社目では印象的でした。

3年間働いていましたが、その間に4人ほど正社員が辞めました。

正確には、本人から辞めたというより、

会社から辞めることになった人もいました。

もちろん、本人側にも遅刻が多い、休みが多いなどの事情はあります。

そんなときには、工場長と社長が出てきます。

そして話し合いが数十分。

結果、

「今回は……」

ということで退職。

まあ、なかなかダイナミックです。

一方で、そもそもの採用もかなり緩かったです。

私自身、面接したときは工場長がでてきて、

「へー、大学出て今は職探し中と……」

「じゃ、明日……早いか。長靴と弁当持って明後日から来れる?」

くらいの感じでした。

採用決定。

これ正社員の採用面接?

ちょっと、いやかなり思いました。

もちろん会社によって違いますが、水産業界の現場には慢性的な人手不足があります。

そのため、正社員でもパートでも、とにかく人を確保したいという現場が存在します。

その結果、

「とりあえず来てくれ」

「働いてみてくれ」

「合わなかったら辞める」

という構造になりやすい。

これも、水産業界の労働環境を考えるうえでは無視できない部分だと思います。

水産業界がブラックと言われる理由③「やばいぞ!」という人もいる

やばい人

語彙力すみません…。一言でこれしかみつからず。

人手不足とも関係します。

採用のハードルが低いので、いろいろな人が入ってきます。

私が見た中には、

10分に1回くらい時計を確認して、

「休憩まだかなー」

と言っている人もいました。

いや、気持ちはわかります。

私だって休憩は好きです。

でも、まだ10分しか経ってません。

そして別の日。

寒空の下でわかめの選別作業をしていたところ、

「手が寒くてやりたくない」

と言って、そのまま退場した人もいました。

確固たる意志。まさかの寒さによる戦線離脱。

水産工場ですからね。

そりゃ寒いです。

ただ、こうした人が一定数いると、当然ながら残った人間に仕事が回ってきます。

そして、

人手不足→一人あたりの負担増→さらに辞める→さらに人手不足

という循環が起こりやすくなります。

これは水産業界に限った話ではありませんが、現場仕事では特に影響が大きいと感じました。

水産業界がブラックと言われる理由④ 朝は早い。繁忙期はとにかく忙しい

繁忙期

水産業界の現場で避けて通れないのが、繁忙期の忙しさです。

注文がどんどん入ってきます。

工場はてんやわんや。

電話が鳴る。

商品を作る。

荷物を出す。

また注文が来る。

そして、

「まだ終わってないの?」

という時間になっても終わっていない。

私が経験した1社目では、繁忙期になると、

朝6時から夜10時

という勤務になることもありました。

休みは市場が休みになる日曜日だけ。

かなりハードです。

ただし、ここは誤解してほしくないのですが、私の場合は残業代はきちんと支給されていました。

なので、

「長時間働いた=すべて違法なブラック企業」

と単純に言うことはできません。

当時は若かったこともあり、なぜか変なハイテンションになっていて、

「よし、やってやるぜ!」

みたいな感じで勢いで乗り切っていました。

そして、水産業界の中でも漁業はさらに過酷です。

関係先の漁師さんから聞いた話では、冬は凍るような寒さ、夏は炎天下、天候にも左右される。

しかも海の上です。

命までかかっている。

工場勤務の私が、

「朝6時から夜10時はきついっすわー」

なんて言っていたのが申し訳なくなるレベルでした。

水産業界がブラックと言われる理由⑤ 馴染むのに時間がかかりがち

馴染むのに時間がかかる

これは水産業界というより、私が働いていた現場の話です。

最初のころは、普通に怖かったです。

タトゥーが入っているマッチョな人。

声が大きい人。

仕事の効率について、若旦那とも言える工場長と遠慮なく意見交換する人。

「おい!そのパレット洗っとくれ!」

「ちげーよ!そっちだよ!」

「早くしろや!」

みたいな。

かくいう私は、

「はい!すみません!」

です。

どんくさくてすみません。

ただ、面白いのは、こういう人たちが必ずしも怖い人だったわけではないことです。

みんな仕事には真剣でした。

私は怖かったので、とりあえず持ち前の体力を活かして、

全力作業。

嫌がる人もいる荷受けも、

「喜んで!!」

くらいの勢いでやっていました。

すると、だんだん仲良くなってきます。

最初は怖かった人から、

「お前、飲みに来るか?」

なんて誘ってもらえるようになったり。

人間、わからないものです。

ある日の寒空、休憩中に

「ありがとよ!寒いだろ!コーヒー飲め!」

と言われて、

「ありがとうございます!」

とありがたく、微糖のコーヒーを受け取ったものの、

すみません、私は無糖派でした。

疲れていると、不思議と微糖も体に染みわたりますね。

水産業界がブラックと言われる理由⑥ 夏は暑く、冬は寒い

夏は暑く冬は寒い

これはもう、逃れられません。

水産物を扱う以上、衛生管理や鮮度管理のために低温環境になる現場があります。

冬は普通に寒い。

夏は夏で、場所によっては暑い。

「夏だから涼しい工場で働ける!」

と思って入ると、

そんなに甘くありません。

当時は時代の変化もあり、こまめな水分補給をしたり、冬場には2時間ごとにストーブ休憩を設けたりするなど、会社側の配慮もありました。

ここは大事なところです。

昔ながらの厳しい現場であっても、労働環境そのものは少しずつ変わっていきます。

水産業界がブラックと言われる理由⑦ 言葉遣いが荒い現場もある

怖い人たち

これも私の経験した現場ではありました。

往年のた○し映画を、若干マイルドにしたような感じです。

「おい!」

「早くしろ!」

「ちげーよ!」

最初は、

「ここ本当に企業法人かな?」

と思いました。

ただ、これも慣れてくると少し見え方が変わります。

言葉は荒いけど、仕事が終わればフランクでした。

困っていれば仲間同士のフォローもあり。

寒そうにしていたらコーヒーをくれる。

つまり、

口は悪いけど面倒見はいい。

みたいな人もいました。

もちろん、暴言や暴力が許されるわけではありません。

そこは別問題です。

ただ、「言葉遣いが荒い=人間関係が最悪」とも限らない。

これも現場に入ってみないとわからない部分だと思います。

水産業界がブラックと言われる理由⑧ 優秀な役職者ほど辞めてしまうことがある

優秀な人

個人的には、これが一番印象に残っています。

当時の工場長は30歳前後。

若いのに、

  • 商材知識
  • 工場の管理
  • 人員管理
  • 事務処理
  • クレーム対応
  • 発注管理
  • 機械トラブル対応

など、かなり多くの仕事を抱えていました。

要するに、

仕事ができる人に仕事が集まりすぎていました。

人が足りない。

だから工場長が現場を見る。

現場を見ながら人員を管理する。

そのうえクレームが来る。

発注もしなければいけない。

機械が壊れる。

そしてまた現場に戻る。

そんな状況でした。

そしてある朝。

朝礼で現場のリーダーから一言。

「えー、工場長が退職されました」

「電話での連絡でした」

「急なことなので、とりあえず皆さんに周知します」

……。

工場長、電話一本で退職。

今でも印象に残っています。

ただ、誰も、

「無責任だ!」

とは言えませんでした。

むしろ、

「まあ……そうなるよな」

という空気。

工場長本人も、それまで何度も労働環境の改善に取り組み、社長にも相談していたのを知っていたからです。

改善しようとして、それでも無理だった。

だったら、誰も責められません。

こういうことが起きている会社では、単純に「人が辞めた」という結果だけを見るのではなく、

なぜ、その人が辞めるところまで追い込まれたのか

を見る必要があると思います。

水産業界はブラック?2社目に転職してみたらかなり違った

ここまで読むと、

「水産業界、やべーじゃん」

と思うかもしれません。

私も1社目だけなら、そう思っていたかもしれません。

ところが、2社目に転職しました。

こちらは全国展開する水産専門商社です。

同じ水産業界。

同じように工場で働きました。

ところが、かなり違いました。

人員管理がされている。

工程管理がされている。

現場が以前ほど殺伐としていない。

「同じ水産業界でも、こんなに違うのか」

と感じました。

もちろん、2社目も楽だったわけではありません。

繁忙期には週1休みになり、夜9時、10時まで働くこともありました。

私が入社する前には労働基準監督署が入り、是正されたと聞いています。

つまり、

「水産業界だからブラック」ではなく、「その会社の管理体制によって労働環境がかなり変わる」

ということです。

これは6年間水産業界で働いた私が、かなり強く感じたことです。

水産業界にはブラックな会社もある。でも全部がブラックではない

いろんな会社

ここまでの話をまとめると、私が経験した水産業界には、

  • OJT中心の現場
  • 慢性的な人手不足
  • 採用基準が緩い会社
  • 朝が早い仕事
  • 繁忙期の長時間労働
  • 夏の暑さ・冬の寒さ
  • 言葉遣いが荒い人間関係
  • 優秀な人に仕事が集中する環境

などがありました。

これだけ並べると、

「やっぱりブラックじゃん」

となるでしょう。

はい。

そう言われても仕方ない現場は、確かにあります。

ただし、一方で、

  • 残業代はきちんと支払われる
  • 休憩などの配慮がある
  • 人員管理がされている
  • 工程管理がされている
  • 労働環境を改善しようとしている

会社もあります。

だから私は、

「水産業界はブラックです」

とは言いません。

正確には、

「水産業界にはブラックと言われても仕方のない現場がある。しかし、会社による差がかなり大きい」

です。

水産業界で働くメリットもある

メリット

ここまでブラックな話ばかりしてきましたが、もちろん良いところもあります。

自分が製造した商品がスーパーに並んでいる。

これは普通に嬉しいです。

「あ、これ俺が作ってたやつだ」

となります。

……いや、フォローになってないか。

でも、仕事としては結構大きなやりがいでした。

自分が作ったものが誰かの食卓に並ぶ。

水産業界で働く面白さの一つだと思います。

また、魚や食品について詳しくなります。

普段スーパーに行っても、

「これ、こういう加工してるんだな」

「この商品、結構売れるだろうな」

など、以前とは違った視点で商品を見るようになります。

大変な仕事ではありましたが、6年間働いたこと自体を後悔していません。

水産業界への転職を考えるなら「業界」ではなく「会社・職種」まで見る

精査する

もしこれから水産業界で働こうとしているなら、私は、

「水産業界はブラックなのか?」

だけで判断しないほうがいいと思います。

水産業界には、

  • 漁業
  • 養殖
  • 水産加工
  • 水産卸
  • 仲卸
  • 鮮魚販売
  • 水産会社の営業
  • 品質管理
  • 商品開発

など、いろいろな仕事があります。

同じ「水産業界」でも、仕事内容は全然違います。

さらに同じ水産加工でも、

A社は人員が十分、B社は常に人手不足

ということも普通にあります。

私自身、1社目と2社目でそれを経験しました。

だから求人を見るときも、

「水産業界だから」

という括りではなく、

「この会社の、この職種はどうなのか」

まで調べることをおすすめします。

入社前に確認しておきたい水産会社のポイント

ポイント

もちろん、入社前にすべてを知ることはできません。

私の経験では、

入ってからじゃないとわからないことが8割くらいあります。

これは本当にそう。

求人票に、

「職場の雰囲気:ちょっと荒いです」

とは書いてありません。

「繁忙期は朝6時から夜10時になることがあります」

とも、必ずしも書いてありません。

「工場長が突然電話で辞める可能性があります」

なんて、絶対書いてありません。

だからこそ、少しでも情報を集めておく。

例えば、

  • 繁忙期の勤務時間
  • 残業時間
  • 残業代の扱い
  • 休日
  • 人員体制
  • 工場の仕事内容
  • 重量物の有無
  • 冷蔵・冷凍環境
  • 教育体制
  • 離職率
  • 配属先

などです。

面接で聞けることは聞いておく。

可能なら職場見学もする。

口コミも見る。

それでも100%はわかりません。

でも、

8割わからなくても、残り2割は潰せるかもしれない。

その2割を調べるだけでも、やらないよりはずっといいと思います。

水産業界はブラックなのか?6年働いた私の結論

結論

水産業界には、確かに大変な仕事があります。

私自身、6年間働いて、

「これは結構きついな」

と思う場面を何度も経験しました。

朝は早い。

繁忙期は忙しい。

夏は暑い。

冬は寒い。

人手不足もある。

現場によっては言葉遣いも荒い。

優秀な人に仕事が集中してしまうこともある。

だから、

「水産業界にはブラックと言われても仕方のない現場がある」

これは否定しません。

ただ、2社目に転職してみて、

「水産業界だからブラック」というわけではない

ことも実感しました。

同じ水産業界でも、人員管理や工程管理がきちんとしている会社はあります。

結局のところ、

業界だけで判断するのではなく、会社と職種まで見ることが大切です。

そして、もし水産業界への就職や転職を考えているなら、少しでも情報を集めてみてください。

入ってからじゃないとわからないことは、たくさんあります。

それでも、事前に調べておけば避けられるものもあります。

だって、そこで働いて給料をもらって、自分の人生を成り立たせていくわけですから。

私は6年間、水産業界で働きました。

きついこともありました。

でも、自分が作った商品がスーパーに並んでいるのを見ると、

「まあ、悪くなかったかな」

と思ったりもします。

水産業界は、ブラックかホワイトかの二択ではありません。

どんな会社で、どんな仕事をするのか。

そこまで見て、自分に合う場所を選ぶことをおすすめします。

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