工場勤務と腰痛。これは、工場で働く人にとって決して軽視できない問題です。
工場では立ち仕事や重量物の運搬、同じ動作の繰り返しなど、腰に負担がかかる作業があります。
そして腰を痛めると、単に「腰が痛くてつらい」で終わりません。
早退や欠勤、通院などによって働ける時間が減れば、本人にとっても大きな機会損失になります。さらに、現場を支えていた人が離脱すれば、会社側にとっても痛手です。
私は水産工場で2社、合計6年間弱働いていました。
現在は工場を離れていますが、工場勤務時代を振り返ると、腰痛に悩んでいた人が何人も思い浮かびます。
中でも印象に残っているのは、現場のリーダー、班長、主任格といった、いわゆる会社のエースだった3人です。
1人は私の目の前でぎっくり腰になり、早退しました。
残りの2人も、何度かぎっくり腰になって休んだり、早退した経験があると聞いています。
この記事では、工場で6年間働いた経験をもとに、工場勤務で腰痛が起こりやすい理由や、私自身が現場で教わった腰への負担を減らす方法、そして腰痛を抱えながら仕事を続けるときに考えたいことを紹介します。
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工場勤務は腰痛になりやすい?

結論から言えば、工場勤務だから必ず腰痛になるわけではありませんが、仕事内容によっては腰に負担がかかりやすい仕事です。
例えば、次のような作業です。
- 重量物を持ち上げる
- 中腰の姿勢を長時間続ける
- 前かがみになって作業する
- 同じ動作を何度も繰り返す
- 立ちっぱなしで作業する
- 無理な姿勢で荷物を扱う
- 作業台の高さが体に合っていない
特に厄介なのが、1回だけなら大したことがない負担が、毎日の仕事で積み重なっていくことです。
私が工場で働いていたのは20代の頃でした。
若いうちは多少無理をしても、「まだ大丈夫」と感じてしまいます。
しかし、工場で働いていた人たちから実際に聞いた話では、若い頃からの身体の使い方が後々の腰の状態に影響してくるという意見がありました。
「仕事はまじめに頑張らなければならない。でも、絶対に腰に無理をさせるな」
これは、工場で働くうえで私が今でも覚えている言葉です。
私が工場勤務で見てきた「腰痛に悩むエースたち」

腰痛について考えるとき、私が特に印象に残っているのが、現場のエースと呼べるような人たちです。
私が工場勤務をしていた6年間で、腰痛について話してくれた人が何人もいました。
その中で特に印象に残っているのが3人です。
3人とも、単に自分の作業をこなすだけの人ではありませんでした。
作業が速く、正確で周囲をよく見ていて、後輩の面倒も見られる。
現場のリーダー、班長、主任格として、会社にとってなくてはならないような存在でした。
そんな人たちでも、腰痛には悩まされていました。
1人については、私が目の前でぎっくり腰になったところを見ています。
その人は仕事中に腰を痛め、そのまま早退しました。
残りの2人についても、何度かぎっくり腰になって休んだり、早退した経験があると聞いています。
ここで私が伝えたいのは、
「腰痛になるのは仕事をサボっている人」という話ではない
ということです。
むしろ、現場で高いパフォーマンスを発揮している人でも腰を痛めることがあります。
工場勤務では、それだけ身体への負担を無視できないということです。
腰痛は本人だけでなく会社にとっても損失になる

工場勤務では、体が資本です。
腰を痛めれば、仕事を休まなければならなくなることがあります。
痛みを抱えたまま働けば、作業効率が落ちたり、別の部分をかばうことでさらに身体へ負担がかかったりする可能性もあります。
そして、会社側から見ても同じです。
現場の中心人物が腰痛で休めば、その人が担当していた仕事を他の人がカバーしなければなりません。
特に、班長やリーダーのように、
- 作業が速い
- ミスが少ない
- 周囲を見られる
- 後輩を育成できる
- トラブル時に対応できる
といった能力を持つ人ほど、簡単に代替できません。
だからこそ、腰痛は単なる「体の痛み」ではなく、本人にとっても会社にとっても無視できない問題だと私は考えています。
工場勤務で腰痛を防ぐには「予防」が重要

工場で働いていた頃、腰痛を経験した人たちから繰り返し聞いたのが、**「とにかく予防が大切」**ということでした。
一度ひどく腰を痛めてしまうと、その後は痛みと付き合いながら生活することになる人もいます。
私が知っている人の中にも、腰の状態を維持するために、鍼や整体に通ったり、痛み止めを使ったりしている人がいました。
もちろん、腰痛の原因や状態によって必要な対応は異なります。
ただ、工場勤務をする側として考えれば、
「痛くなってから何とかする」より、「痛めない身体の使い方を身につける」
という考え方は重要だと思います。
重いものを持つときは腰だけで持ち上げない

私が工場で教えてもらったことの一つが、荷物を持ち上げるときに腰だけを曲げないことです。
例えばパレットに置かれた荷物を持ち上げるとき、立ったまま上半身だけを前に倒して荷物を持ち上げようとすると、腰に負担がかかります。
そこで、足を使ってしゃがみ、荷物をできるだけ身体に近づけて持ち上げる。
こうした身体の使い方を意識します。
工場の作業は毎日のことなので、最初は意識していても、慣れてくると自己流になりがちです。
しかし、身体の使い方は癖になります。
だからこそ、忙しいときほど基本的な動作を崩さないことが大切だと感じました。
急いでいるときほど無理な姿勢を取らない

工場勤務では、常に余裕を持って作業できるとは限りません。
後工程が詰まっている。
予定より作業が遅れている。
応援に入ってほしいと言われる。
こうした状況になると、どうしても「早く終わらせよう」と考えてしまいます。
そのときに危ないのが、無理な姿勢で作業を続けることです。
私自身、工場で働いていた頃に感じたのは、急いでいるときほど、作業のルートを一度考えたほうがいいということでした。
「どうすれば一番早いか」だけではなく、
「どうすれば身体に負担をかけずに早く終わらせられるか」
を考える。
この違いは意外と大きいです。
作業台が低いだけでも腰への負担は変わる

ここで、私が水産工場で実際に経験した例を紹介します。
2社目の工場では、海老を焼く工程がありました。
海老を網にひたすら並べて、そのままオーブンに流していく作業です。
私はあるとき、その工程の応援に呼ばれました。
そこで気になったのが、作業台の高さでした。
その工程は女性が多かったため、作業台も女性の身長に合わせた高さになっていました。
ところが男性がそこで作業すると、どうしても身体をかがめる姿勢になります。
すごく単純に考えれば、
「かがんで作業すればいい」
となります。
しかし、実際にやってみると、腰だけでなく作業そのものにも影響します。
姿勢が悪くなれば、作業スピードも落ちますし、海老を並べる正確性にも影響します。
そこで周囲を見てみると、男性の作業者は消毒したかごを台として使い、作業台の高さを調整していました。
これは非常に小さな工夫です。
しかし、
作業台の高さを少し変えるだけで、身体への負担を減らしながら作業しやすくなる。
工場では、こうした「ちょっとした工夫」が意外と重要です。
腰痛対策は「我慢する」ことではない

工場では、
「これくらいなら大丈夫」
「みんなやっている」
「忙しいから言い出せない」
と考えてしまうことがあります。
しかし、腰痛の場合は我慢すればするほど良いとは限りません。
特に、強い痛みがある場合や、繰り返し腰痛を起こしている場合は、自己判断だけで無理を続けるのではなく、必要に応じて医療機関への相談を検討してください。
また、仕事中に腰を痛めたのであれば、上司などに状況を伝えておくことも重要です。
「休むほどではない」と思って黙っていると、後になって仕事との関係や、いつから痛みがあったのかが分かりにくくなることもあります。
腰痛になったら工場を辞めるべき?

では、腰痛になったら工場を辞めたほうがいいのでしょうか。
私は、腰痛になったという理由だけですぐに退職を決める必要はないと思います。
まず考えたいのは、
- 作業内容を変えられないか
- 重量物を減らせないか
- 作業台の高さを調整できないか
- 台車などを使えないか
- 作業をローテーションできないか
- 一時的に負担の少ない仕事に移れないか
といったことです。
会社によって、対応できる範囲は違います。
それでも現在の仕事を続けることで腰への負担が大きいのであれば、異動や転職を考えることも選択肢になります。
腰を壊してから仕事を辞めるのではなく、まだ働けるうちに次の選択肢を考える。
これは、長く働くためにも大切な考え方です。

腰痛がある人が工場求人を見るときのポイント

腰痛を経験した人が次の工場を探すのであれば、求人票の「軽作業」という言葉だけで判断しないことをおすすめします。
確認したいのは、具体的な仕事内容です。
重量物を扱うのか
「軽作業」と書いてあっても、実際には一定の重量がある製品を繰り返し扱うことがあります。
何kg程度のものを持つのか、確認しておきたいところです。
立ちっぱなしなのか
重量物がなくても、一日中立ったまま同じ作業をする仕事もあります。
腰痛がある人にとっては、重量だけが負担になるとは限りません。
中腰や前かがみの作業があるのか
ここは特に重要です。
「何を作る工場なのか」だけではなく、
「どんな姿勢で作業するのか」
まで確認しましょう。
作業台や設備は整っているか
自動化設備、台車、リフト、作業台などがあるかによって、身体への負担が変わることがあります。
可能なら面接時に、
「重量物はどの程度ありますか?」
「立ち作業が中心ですか?」
「作業台の高さは調整できますか?」
など、具体的に聞いてみるとよいでしょう。
「軽作業だから腰に優しい」とは限らない
工場求人を見ると、「軽作業」という言葉をよく見かけます。
しかし、
軽作業=身体への負担が少ない仕事
とは限りません。
例えば、重量物を持たなくても、同じ場所で何時間も立ち続けたり、前かがみになったり、同じ動作を何百回も繰り返したりすれば、身体への負担になることがあります。
だから、腰痛が気になる人は、
「重いものを持つか?」
だけでなく、
「どんな姿勢で、どんな動作を、どれくらい繰り返すのか?」
まで見て求人を選ぶことが大切です。
工場勤務を長く続けるために、腰を「仕事の一部」として考える

工場勤務では、仕事を覚えることや作業スピードを上げることばかりに意識が向きがちです。
もちろん、それも重要です。
私自身、工場で働いていた頃は、少しでも早く正確に作業することを考えていました。
しかし6年間働いた経験から思うのは、身体の使い方も仕事の能力の一つだということです。
無理な姿勢を続けない。
作業環境を少し工夫する。
急いでいるときほど身体の使い方を崩さない。
必要なら周囲に相談する。
こうしたことも、工場で長く働くためには欠かせません。
そして、すでに腰痛を抱えていて現在の仕事を続けることが難しいのであれば、異動や転職を検討することも決して逃げではありません。
仕事を頑張ることと、自分の身体を守ることは両立させていい。
私は6年間工場で働いて、そう感じています。

まとめ|工場勤務では「痛くなってから」ではなく早めの対策を

工場勤務は、仕事内容によって腰への負担が大きく変わります。
私自身、6年間の工場勤務で、腰痛に悩む人を何人も見てきました。
その中には、現場のリーダーや班長、主任格として活躍する「会社のエース」もいました。
だからこそ、腰痛は「一部の人だけの問題」とは思えません。
特に大切なのは、痛くなってから対処するのではなく、若いうちから身体の使い方や作業環境を意識することです。
そして、もし現在腰痛に悩んでいるのであれば、無理を続けることだけが選択肢ではありません。
仕事内容の調整、周囲への相談、異動、そして必要であれば転職。
自分の身体とこれからの働き方を考えながら、無理なく長く働ける環境を探していきましょう。
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