「ベンチャー企業は成長できる」
転職活動をしていると、一度は聞いたことがある言葉だと思う。
私自身、その言葉に惹かれて未経験からWeb業界へ飛び込んだ。
そして約2年間、ベンチャー企業で働いた。
結論から言うと、その言葉は本当だった。
私はそこでSEOライティングを学び、記事制作だけでなく、ライター管理やWebディレクションにも携わることができた。
もしあの環境に飛び込んでいなければ、今の自分はなかったと思う。
ただ、それだけでは語れない。
今日はベンチャー企業で働いて感じた光と影について書いてみたい。
ベンチャーは想像以上に綱渡りだった

外から見ると、成長している企業はいいところが目につきがち。
しかし中に入ると、案外そうでもない。
ある施策がうまくいけば売上は伸びる。
逆に、一つの導線が止まるだけで状況が大きく変わることもある。
ベンチャー企業では意思決定が速い。
それは強みである同時に、変化の影響をまともに受ける環境でもある。
昨日まで順調だったものが、翌月には通用しなくなる。
マジかで苦悩する社長の姿に、事業を作ることの難しさを初めて知った。
人が辞めるたびに、仕事が増えていく

ベンチャー企業は人の入れ替わりも激しい。
私が在籍していた期間にも、多くの人が会社を去った。
転職した人。
独立した人。
フリーランスになった人。
理由はそれぞれ違う。
ただ共通していたのは、自分の人生を自分で選ぼうとしていたことだった。
そして人が辞めるたびに、自分の仕事は増えていく。
最初はライターだった。
そのうちSEOを見るようになった。
さらにライター管理を任されるようになった。
気づけばWebディレクターになっていた。
大企業なら数年かかる経験を、短期間で経験できたのは事実だと思う。
成長できる環境と消耗する環境は紙一重だった

ベンチャー企業には「成長」という言葉がよく似合う。
実際に成長はできる。
責任も増える。
裁量も増える。
任される仕事も増える。
ただ、その裏側にあるものはあまり語られない。
プレッシャー。
不安。
結果への責任。
そして終わりの見えない改善。
挑戦できる自由と引き換えに、常に結果を求められる。
その環境を楽しめる人もいれば、苦しく感じる人もいる。
どちらが正しいという話ではない。
ベンチャーは誰にでも合う環境ではないと思う。
今でも忘れられない出来事がある

在籍中、今でも忘れられない出来事があった。
尊敬していた人が突然いなくなった。
会社のエースだった。
数日前まで当たり前のように会話していた。
その出来事をきっかけに働き方と人生について考えるようになる。
成長とは何なのか。
仕事とは何なのか。
キャリアとは何なのか。
結果を出すことは大切だ。
成長することも大切だ。
しかし、それ以上に大切なものもあるのではないか。
それをすべて否定しても現実的にお金は大切だしな。
当時楽天的だった私は初めて考えた。
今でも答えは出ていない。
なぜ辞めた人たちは独立していったのか

不思議だったのは、会社を去った人たちの多くが独立や起業を選んでいたことだ。
動画編集者はフリーランスになった。
営業職だった人は起業した。
エンジニアは個人開発を始めた。
ライターは自分で仕事を取るようになった。
もちろん全員ではない。
しかし共通していたのは、自立志向の強さだった。
ベンチャー企業では一つの仕事だけをやることは少ない。
事業全体を見る機会がある。
売上を見る。
数字を見る。
顧客を見る。
その経験が、自然と「自分でやってみよう」という発想につながるのかもしれない。
私はベンチャー企業を否定できない

私はベンチャー企業を否定したいわけではない。
むしろ感謝している。
工場勤務しか経験のなかった私に、Web業界で生きるためのスキルを与えてくれた。
SEOライティング。
ディレクション。
数値分析。
外注管理。
それらは今でも自分の武器になっている。
だから「ベンチャーはやめておけ」とは思わない。
ただ、「成長できるからおすすめ」とも言い切れない。
成長はできる。
しかし、それは決して無料ではない。
時間も使う。
体力も使う。
精神力も使う。
だからこそ、自分が何を得たいのかを考えた上で飛び込んだ方がいい。
少なくとも私にとってベンチャー企業は天国ではなかった。
地獄といわれるとそれも異なり、スリリングな戦場に近い場所だった。
そこで得た経験は今でも自分の血肉になっている。

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