工場は辞める人が多い?6年近く働いてわかった実態と辞める理由

工場 転職

「工場は辞める人が多い」

「工場って人の入れ替わりが激しいんじゃない?」

工場勤務を考えている人の中には、このようなイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。

私自身、水産工場で6年近く働いた経験があります。

その間、実際に辞めていった人を何人も見てきました。

ただ、そこで働いていて感じたのは、「工場は辞める人が多い」というイメージには、少し違った側面があるのではないかということです。

私が働いていた工場では、辞めていく人の多くが入社してから1か月も経たないうちに辞めていました。

一方で、1か月程度続いた人は、その後も年単位で働き続けるケースがかなり多かったのです。

もちろん、これはあくまで私が働いていた工場での経験です。

しかし、実際に長く工場で働いてみると、工場は「誰でもすぐ辞める仕事」というより、合う人と合わない人が比較的早い段階で分かれやすい仕事なのではないかと感じるようになりました。

この記事では、製造業の公的な統計と私自身の工場勤務経験をもとに、

  • 工場は本当に辞める人が多いのか
  • なぜ「工場はすぐ辞める」というイメージがあるのか
  • 工場を辞める主な理由
  • 工場勤務が向いている人・向いていない人
  • 工場を辞めたいと思ったときの考え方

について解説します。

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工場は本当に辞める人が多い?

疑問に思う人

結論から言うと、「工場だから辞める人が特別多い」とは言えません。

工場で働いていると、確かに短期間で辞めていく人を目にすることがあります。

私自身も水産工場で働いていたとき、入社して間もなく辞めていく人を何人も見ました。

そのため、

「また新人が辞めた」

「やっぱり工場は人が続かないな」

と感じることもあるでしょう。

しかし、以下の図で製造業全体の統計を見ると、少し違った景色が見えてきます。

厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」によると、2024年の離職率は**産業全体で14.2%、製造業で9.6%**でした。

つまり、製造業の離職率は産業全体より4.6ポイント低いのです。

さらに平均勤続年数を見ても、製造業は産業全体より長い傾向があります。

2024年のデータでは、男性の平均勤続年数は産業計13.9年に対して製造業15.9年、女性は産業計10.0年に対して製造業11.9年でした。

製造業の離職率、勤続年数の図

つまり、

「工場は辞める人が多い」というイメージと、実際の統計にはギャップがある

わけです。

ここで、私は自分の工場勤務時代の経験を思い出します。

[ここに「製造業は本当に辞める人が多い?産業全体と比較」の比較図を挿入]

数字だけを見ると、少なくとも製造業全体を「人がすぐ辞める業界」と考えるのは正確ではありません。

では、なぜ工場には「辞める人が多い」というイメージがあるのでしょうか。

工場は「辞めた人」が目立ちやすいのではないか

目立つ

私は、工場に対する「辞める人が多い」というイメージには、短期間で辞めた人が目立ちやすいことも関係しているのではないかと思っています。

例えば、職場に新人が入ってきたとします。

新人が入れば、

「今度入った人はどんな人なんだろう」

「どこから来たんだろう」

など、多少なりとも話題になりますよね。

ところが、その新人が数日や数週間で辞めてしまったらどうでしょうか。

「そういえば、あの新人もう辞めたらしいよ」

と話題になります。

一方で、普通に仕事を覚えて、そのまま1年、2年と働き続けた人については、

「この人は1年間続きました」

なんて、わざわざ話題にはしません。

つまり、

短期間で辞めた人のほうが、職場の記憶に残りやすい。

私はこれが、「工場は辞める人が多い」という印象につながる一つの理由なのではないかと考えています。

実際、私が水産工場で働いていたときも、辞めていった人の多くは入社して1か月も経たないうちに辞めていました。

逆に、1か月程度続いた人は、その後も年単位で働く人がかなり多かったです。

もちろん、これは私が働いていた職場での体感です。

全国の工場にそのまま当てはめることはできません。

それでも、工場という仕事には、向き不向きが比較的早く分かりやすいという特徴があるのではないかと思います。

だからこそ、合わない人は早い段階で見切りをつける。

そして、その「すぐ辞めた人」が目立つ。

これが工場に対するイメージを作っている可能性はあるでしょう。

工場は続けば続くほど「居心地」がよくなる

工場

私が工場で6年近く働いて感じたことの一つに、

工場は続けば続くほど仕事が楽になる

というものがあります。

もちろん、「肉体的な負担がなくなる」という意味ではありません。

仕事の流れが分かり、先のことを予測できるようになることで、心理的な負担が減っていくという意味です。

工場の仕事は、基本的にある程度ルーティン化されています。

最初は、

「次は何をすればいいんだ?」

「この作業はどのくらいのペースでやればいいんだ?」

「この場合はどう対応するんだ?」

と分からないことばかりです。

しかし、何か月、何年と働いていると、だんだん仕事の流れが見えてきます。

「この時間帯はこの仕事をする」

「今日はこのくらい忙しくなりそう」

「この程度なら余裕を持って終わらせられる」

といったことが分かるようになります。

工場の場合、生産設備の能力や生産量などから、仕事の量にもある程度の上限があります。

そのため、長く働いていると繁忙期や閑散期の傾向も分かってきます。

すると、

「何が起きるか分からない」

という状態から、

「だいたいこうなるだろう」

という状態に変わっていきます。

これはかなり大きいと思っています。

工場の仕事は「未知」が減るほど続けやすくなる

未知

私はこのブログで、人間は未知のものに不安を感じやすいという話をしています。

工場の仕事が続けやすくなる理由の一つも、ここにあるのではないでしょうか。

入社したばかりの頃は、

「何をするか分からない」

「どこまでやればいいか分からない」

「周りの人が何を考えているか分からない」

という未知だらけの状態です。

ところが、仕事を覚えるにつれて、その未知が少しずつ減っていきます。

仕事の展開が想定できるようになれば、

「今日は忙しくなりそうだから最初から飛ばしすぎないようにしよう」

「この仕事ならこのくらいのペースで大丈夫」

と、自分の体力や集中力も調整しやすくなります。

つまり工場は、慣れるほど仕事の予測がつきやすくなる仕事でもあるのです。

これが、長く続けやすい理由の一つだと私は考えています。

逆に、入ったばかりの工場はかなり大変

新人

では、なぜ短期間で辞める人がいるのでしょうか。

これも実際に工場で働いてみると分かります。

入ったばかりの頃は、かなり大変です。

周りを見ると、みんな普通に動いています。

しかし、自分は何をすればいいのか分からない。

指示された作業だけを見ればいいわけでもありません。

前の工程、後ろの工程、周囲との連携、作業の順番、暗黙のルールなど、工場には長く働いている人にとっての「当たり前」がたくさんあります。

新人からすると、

「そんなの聞いてないよ」

と思うこともあります。

これは工場に限った話ではありません。

どんな仕事でも新人の頃は大変です。

ただ、工場の場合は作業全体が一つの流れとしてつながっているため、前提となる知識がないと置いていかれたように感じやすい面があると思います。

そして、

「思っていた仕事と違った」

「自分には向いていない」

「こんなに大変だとは思わなかった」

と感じて、早い段階で辞めてしまう人もいます。

工場を辞める人が多い7つの理由

理由

では、実際に工場を辞める理由にはどのようなものがあるのでしょうか。

私自身の経験と、一般的な工場勤務の特徴を踏まえると、主に以下の7つが考えられます。

  1. 仕事内容が合わない
  2. 同じ作業の繰り返しがきつい
  3. 夜勤・交替勤務が合わない
  4. 体力的にきつい
  5. 人間関係が合わない
  6. 給料や将来性に不満がある
  7. 工場以外の仕事をしたくなる

1.仕事内容が合わない

一番大きいのは、単純に仕事内容が自分に合わないケースです。

工場といっても仕事内容はさまざまですが、製造ラインなどでは決められた作業を繰り返すことがあります。

こうした仕事が苦にならない人もいれば、

「毎日同じことをするのが苦痛」

「もっと変化のある仕事がしたい」

という人もいます。

求人票を見ただけでは、実際の作業がどのようなものなのか分かりにくいこともあります。

そのため、入社してから「思っていた仕事と違った」と気づき、早期退職につながることがあります。

2.同じ作業の繰り返しがきつい

工場では、同じ作業を何度も繰り返すことがあります。

人によっては、

「何も考えずにできるから楽」

と感じます。

一方で、

「毎日同じことをするのがつまらない」

と感じる人もいます。

これは能力の問題というより、仕事に何を求めるかの違いでしょう。

工場の仕事が悪いのではなく、変化や刺激を求める人には合わない可能性があります。

3.夜勤・交替勤務が合わない

24時間稼働する工場では、夜勤や交替勤務がある場合があります。

夜勤には手当がつくなどのメリットもありますが、生活リズムが変わることを負担に感じる人もいます。

「工場なら夜勤がある」と思い込む必要はありませんが、求人を見るときには、

日勤なのか、交替勤務なのか、夜勤がどの程度あるのか

を確認しておいた方がいいでしょう。

4.体力的にきつい

工場では立ち仕事や重量物を扱う仕事など、体力を使う作業もあります。

入社したばかりの頃は、仕事の動きにも慣れていないため、余計に疲れることがあります。

ただし、ここでも慣れは大きいと思います。

仕事の動きが分かってくると、無駄な動きが減ります。

「最初はものすごく疲れたけど、慣れたらそこまででもなくなった」

ということもあります。

5.人間関係が合わない

これは工場に限った話ではありません。

職場である以上、人間関係の問題は起こります。

工場の場合、一つの工程を複数人で担当することもあるため、周囲との連携が必要になります。

そのため、

  • 威圧的な人がいる
  • 教え方が厳しい
  • 職場の雰囲気が悪い
  • 上司と合わない
  • 同僚との関係が悪い

といった問題があると、仕事内容以上にストレスを感じることがあります。

6.給料や将来性に不満がある

仕事自体には慣れていても、

「このまま働いていて給料は上がるのだろうか」

「何年後も同じ仕事をしているのかな」

と考えて辞める人もいます。

特に若いうちは、今の仕事だけではなく、将来のキャリアまで考えるようになります。

昇給や昇格の仕組み、資格取得支援、部署異動の可能性などは、入社前に確認しておきたいところです。

7.工場以外の仕事をしたくなる

単純に、

「別の仕事をやってみたい」

という理由もあります。

工場で働いているうちに、

「人と関わる仕事をしてみたい」

「営業をやってみたい」

「別の業界に挑戦したい」

と思うことは珍しくありません。

これは工場が嫌いだからというより、自分の人生やキャリアの方向性が変わったというケースです。

工場勤務が向いている人

工場勤務

ここまで読むと「じゃあ工場はやっぱりきつい仕事なのでは?」と思うかもしれません。

しかし、私はそうは思いません。

工場は合う人にとっては、かなり安定して働きやすい仕事です。

特に向いていると思うのは、次のような人です。

  • ルーティンワークが苦にならない
  • 決められた手順を守れる
  • コツコツ仕事を続けられる
  • 仕事を覚えて効率化するのが好き
  • 体を動かすことが苦ではない
  • チームで協力して働ける
  • 安定して働きたい

特に、

「一度仕事を覚えたら、ある程度決まった流れで働きたい」

という人には、工場は相性がいいと思います。

工場勤務が向いていない人

向いてない

逆に、以下のような人は工場勤務が合わない可能性があります。

  • 毎日違う仕事をしたい
  • 同じ作業を繰り返すのが苦痛
  • 夜勤や交替勤務が苦手
  • 体を動かす仕事が苦手
  • 常に新しい刺激が欲しい
  • 人と積極的に関わる仕事がしたい
  • キャリアアップを早く実現したい

もちろん、これも工場によって大きく違います。

「工場だからこう」と決めつけるのではなく、実際に応募する求人の仕事内容や勤務条件を確認することが重要です。

工場を辞めたいと思ったら、すぐに辞めるべき?

疑問

工場で働いていて「辞めたい」と思ったとしても、まずはなぜ辞めたいのかを整理することをおすすめします。

例えば、

「仕事内容が合わない」

「人間関係が嫌だ」

「夜勤がきつい」

「給料が低い」

「将来性が不安」

では、それぞれ取るべき行動が違います。

人間関係だけが問題なら、部署異動で解決するかもしれません。

夜勤が嫌なら、日勤のみの部署や会社を探す方法もあります。

仕事内容が合わないなら、別の職種への転職を考えた方がいいかもしれません。

つまり、

「工場を辞めたい」ではなく、「何が嫌で辞めたいのか」を考えることが大切だと考えています。

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工場を辞める前に、次の仕事を探しておく

内定通知

もし本当に退職するのであれば、できるだけ次の仕事について考えてから辞めることをおすすめします。

特に、

「今の職場が嫌だから、とにかく辞めたい」

という状態では、退職したこと自体が目的になってしまうことがあります。

しかし、退職はゴールではありません。

その後に生活があります。

そのため、

  1. 辞めたい理由を整理する
  2. 今の職場で改善できないか考える
  3. 転職した場合に何が変わるのか考える
  4. 求人を調べる
  5. 必要なら転職活動を始める
  6. 次の仕事の見通しが立ってから退職する

という順番で考えると、勢いだけで辞めるリスクを減らせます。

もちろん、心身に深刻な負担がある場合などは、無理に働き続ける必要はありません。

工場を辞めても、工場経験が無駄になるとは限らない

必然

「工場を辞めたら、今までの経験が無駄になるのでは?」

と考える人もいるかもしれません。

しかし、私はそうは思いません。

工場で働く中でも、

  • 決められた手順を守る
  • ミスを防ぐ
  • 作業の正確性を保つ
  • 周囲と連携する
  • 一定の品質を維持する
  • 継続して仕事に取り組む

といった能力は身につきます。

これらは工場以外でも活かせるものです。

私自身も工場を離れた後に別の仕事を経験していますが、工場で働いた経験がすべて無駄になったとは感じていません。

むしろ、長く働いたからこそ身についた仕事への向き合い方は、その後の仕事でも活きています。

そして工場は、長く続けるほど作業への理解が深まり、技術や経験も蓄積されていきます。

「工場勤務=スキルが身につかない」

と一括りにする必要はありません。

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まとめ|工場は「辞める人が多い仕事」なのか?

結論

ここまで、工場を辞める人が多い理由について、私自身の経験と統計の両面から解説しました。

改めて結論を言うと、

工場は「辞める人が特別多い仕事」とは言い切れません。

2024年の離職率を見ると、産業全体が14.2%なのに対して製造業は9.6%。

平均勤続年数も製造業の方が長い傾向があります。

私自身が水産工場で6年近く働いた経験から考えても、工場は、

「合わない人は早い段階で辞める一方、仕事に慣れた人は長く続けやすい仕事」

なのではないかと思います。

工場に入ったばかりの頃は、周囲が何をしているのか分からず、仕事の前提も理解できません。

しかし、仕事を覚えていくと、作業の流れや忙しくなる時期、自分のペース配分などが分かってきます。

そして、未知だったものが少しずつ減っていく。

私は、ここに工場の「続けやすさ」があると思っています。

だから、

「工場はすぐ辞める人が多いらしい」

というイメージだけで判断する必要はありません。

大切なのは、工場という言葉だけで判断するのではなく、

「自分がその仕事内容・勤務時間・職場環境に合っているか」

を見ることではないでしょうか。

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