「新卒でベンチャーはやめとけ」
就活をしていると、一度はこんな言葉を見かけるのではないでしょうか。
私自身、大学卒業時に就活に失敗して既卒になり、その後は工場勤務を経験。さらに29歳になってから、今度はベンチャー企業に入ったという、かなり遠回りしたキャリアを歩んできました。
そんな私からすると、「新卒でベンチャーはやめとけ」という意見には、賛成できる部分もあります。
ただし、
「ベンチャー企業だからやめておけ」
と一括りにしてしまうのも、少し違うと思っています。
私がベンチャー企業で2年間働いて感じたのは、むしろ会社による差が非常に大きいということでした。
特に社員数が10人、20人程度の小規模なベンチャーになると、就活でよく言われる「配属ガチャ」や「上司ガチャ」とは少し違います。
場合によっては、
「会社ガチャ」
になってしまう。
この違いは、新卒でベンチャー企業に入るならぜひ知っておいてほしいところです。
この記事では、私自身の経験をもとに、
- なぜ「新卒でベンチャーはやめとけ」と言われるのか
- 大企業と小規模ベンチャーでは何が違うのか
- ベンチャーで「会社ガチャ」が起きる理由
- カルチャーフィットがなぜ重要なのか
- 新卒でベンチャーに行くなら何を確認すべきか
- 学生が使える最強の見極め方法は何か
について、できるだけリアルに解説します。
👉 関連:
ベンチャー企業に入って大変だったこと3選|田舎の工場勤務から東京へ飛び込んだ結果
水産工場6年からWebディレクターへ。未経験でWeb業界に転職した経験談

- 新卒でベンチャーはやめとけと言われる最大の理由
- 小規模ベンチャーは「会社ガチャ」になりやすい
- ベンチャーの当たりを引けば、とんでもない経験ができる
- 私がベンチャーで2年間働けた理由は「カルチャーフィット」だった
- カルチャーフィットがないベンチャーは想像以上にきつい
- 「成長できそう」だけで新卒ベンチャーを選ぶのは危険
- 新卒でベンチャーに行くなら「インターン」を使おう
- インターンでは「仕事内容」だけでなく社員を見る
- ベンチャー企業は「数を打つ」ことも重要
- 求人票も必ず精査しよう
- 新卒でベンチャーに向いている人
- 逆に、新卒ベンチャーを慎重に考えたほうがいい人
- 「大企業→ベンチャー」なら失敗しない、とは限らない
- 新卒でベンチャーに行くなら、これだけはやってほしい
- まとめ|新卒でベンチャーを選ぶからこそ「会社を見極める」
新卒でベンチャーはやめとけと言われる最大の理由

結論から言うと、私は「新卒でベンチャーは絶対にやめとけ」とは思いません。
むしろ、自分に合うベンチャー企業を選べるのであれば、新卒から挑戦することにも大きなメリットがあります。
では、なぜ「やめとけ」と言われるのでしょうか。
私が考える最大の理由は、
会社による当たり外れの大きさです。
少し前に「配属ガチャ」「上司ガチャ」という言葉が流行りましたよね。
大企業の場合、仮に配属された部署や上司と合わなかったとしても、会社そのものは巨大です。
例えば、
- 異動する
- 別の部署に相談する
- 人事に相談する
- 同期に相談する
- 社内の別の人に相談する
- ハラスメントなどを外部・社内の窓口に相談する
など、リカバリーする手段が比較的多くあります。
もちろん、大企業だから必ず安心という意味ではありません。
ただ、「自分と合わない人がいた=会社そのものと合わない」になりにくいというのは、大きな組織のメリットだと思います。
ところが、小規模なベンチャー企業では事情が変わってきます。
小規模ベンチャーは「会社ガチャ」になりやすい

例えば社員が10人程度しかいない会社を想像してみてください。
社長が1人。
その下に数人の社員。
さらに新卒で入ったあなた。
このような会社で、もし社長や社員との価値観が合わなかったらどうでしょうか。
逃げ場がかなり少なくなります。
大企業なら、
「この部署は合わないけど、隣の部署には話しやすい先輩がいる」
ということもあります。
しかし10人程度の会社なら、そもそも「隣の部署」が存在しないことすらあります。
相談できる相手がいない。
同期もいない。
上司も社長と兼任。
会社の文化も独特。
こうなると、
「配属ガチャ」ではなく「会社ガチャ」
になってくるわけです。
そして、この会社ガチャの怖いところは、入社前には非常にわかりにくいことです。
求人票には、
「若手から裁量権!」
「20代から活躍!」
「経営陣との距離が近い!」
「圧倒的な成長環境!」
など、魅力的な言葉が並んでいます。
しかし、それが自分にとって本当に良い環境なのかは、入社してみないとわからない部分があります。
ベンチャーの当たりを引けば、とんでもない経験ができる

ここは誤解してほしくありません。
私はベンチャー企業を否定しているわけではありません。
むしろ、自分に合う会社に入ることができれば、非常に面白い環境だと思っています。
社員数が少ないからこそ、
- 入社直後から重要な仕事を任される
- 経営者と直接話せる
- 新規事業に関われる
- 営業からマーケティングまで幅広く経験できる
- 若いうちから責任者になる
- 会社の意思決定を間近で見られる
といった経験ができる可能性があります。
大企業で何年もかけて経験する仕事を、数年で経験することもあるでしょう。
特に、
「将来起業したい」
「事業を作りたい」
「経営者の近くで働きたい」
という明確な目的がある人にとっては、ベンチャーは魅力的な選択肢です。
問題なのは、
「ベンチャーだから成長できる」と考えてしまうこと。
ベンチャーに入れば自動的に成長できるわけではありません。
重要なのは、
自分と会社の相性が合っているか
です。
私がベンチャーで2年間働けた理由は「カルチャーフィット」だった

ここは、私自身の経験からかなり強く感じている部分です。
私は大学卒業時に就活に失敗し、既卒就活を経験しました。
その後、工場勤務も経験しています。
そして29歳になってから、ベンチャー企業に入りました。
私が入った会社は、対人向けのコンサルティングセミナーを販売する会社でした。
そして実は、私は最初から社員だったわけではありません。
その会社の受講生から入った人間です。
つまり、もともとその会社の商品や考え方に興味がありました。
言ってしまえば、
会社のファンだったわけです。
これはかなり特殊なケースでしょう。
しかし、これが私にとって大きかった。
会社の考え方に共感している。
商品にも価値を感じている。
その商品をどうやって広めるのかを考える。
集客する。
販売する。
そして、同じように会社や商品に思い入れを持った社員と試行錯誤する。
この環境は、私にはかなり合っていました。
もちろん大変なこともありました。
それでも、
「そもそも自分は何のためにこの仕事をしているんだ?」
という根本的な部分で迷いにくかった。
だからこそ、ベンチャー企業で2年間働き、最終的には短期間でしたが、役職まで与えてもらうことができました。
一方で、私の周囲では数か月で辞めていく人も珍しくありませんでした。
能力が低いから辞めた。
根性がないから辞めた。
私はそう単純には考えていません。
単純に会社との相性が合わなかった可能性もある。
これがベンチャー企業の難しいところだと思っています。
カルチャーフィットがないベンチャーは想像以上にきつい

大企業でもカルチャーフィットは重要です。
しかし、小規模なベンチャーでは、その重要度がさらに高くなると私は考えています。
なぜなら、会社の規模が小さいほど、
経営者の考え方=会社の文化
になりやすいからです。
社長が、
「とにかくスピード重視」
という考え方なら、会社全体がスピード重視になる。
社長が、
「細かいことより、とにかく挑戦しよう」
というタイプなら、失敗を恐れず動く文化になる。
逆に、
「数字がすべて」
という経営者なら、社員にも数字への強いプレッシャーがかかるかもしれません。
どれが正解という話ではありません。
重要なのは、
自分がその文化で働きたいと思えるか
です。
例えば、安定して決められた仕事を丁寧に進めたい人が、
「昨日決まったことが今日変わる」
ような会社に入れば、かなりのストレスになるでしょう。
逆に、
「変化が多いほうが面白い」
という人なら、最高の環境になる可能性があります。
だから私は、ベンチャー企業選びでは、
会社の規模や年収だけではなく、カルチャーフィットをかなり重視してほしい
と思っています。
「成長できそう」だけで新卒ベンチャーを選ぶのは危険

新卒でベンチャーを選ぶ学生がやってしまいがちなのが、
「若いうちから成長できそうだから」
という理由だけで決めることです。
もちろん、それ自体は悪くありません。
ただ、
「なぜその会社で成長したいのか」
まで考えてみてください。
例えば、
「マーケティングを実践で学びたい」
「営業だけではなく事業開発まで経験したい」
「将来起業したいから経営者の近くで働きたい」
なら、かなり具体的です。
一方で、
「大企業より裁量権がありそう」
「若手でも活躍できそう」
「説明会で楽しそうだった」
だけだと、少し危険です。
入社後に思っていた仕事と違った場合、
「こんなはずじゃなかった」
となる可能性があります。
新卒でベンチャーに行くなら「インターン」を使おう

では、どうすれば会社ガチャを避けられるのでしょうか。
私なら、
インターンを使います。
これは大学生の大きな特権です。
なぜなら、実際にその会社の中に入って、
- 社員がどんな会話をしているか
- 経営者がどんな人なのか
- 仕事の進め方
- 社員同士の距離感
- スピード感
- どんな価値観を大切にしているか
を、自分の目で確認できるからです。
求人票や会社説明会だけではわからない部分を、実際に体験できます。
しかも、就職してから、
「やっぱり合わなかった」
となるより圧倒的にリスクが低い。
私がもし大学1年生に戻れるなら、アルバイトだけではなく、できるだけ早い段階からインターンにも挑戦します。
マーケティングでもいい。
ライティングでもいい。
テレアポでもいい。
営業でもいい。
もちろん、全部が自分に合うとは限りません。
でも、
「自分は何が向いていないのか」
を早く知ることにも価値があります。
インターンでは「仕事内容」だけでなく社員を見る

インターンに行くなら、仕事内容だけを見ないでください。
私なら社員を観察します。
例えば、
「社員同士は普通に会話しているか」
「質問しやすい雰囲気があるか」
「上司が部下にどう接しているか」
「経営者が社員をどう扱っているか」
「忙しいときに社員がどんな表情をしているか」
などです。
会社の説明資料より、実際の社員の様子のほうが、その会社の文化を理解する材料になることがあります。
もちろん学生インターンだけで会社のすべてがわかるわけではありません。
それでも、何も知らずに入社するより年単位のインターンははるかに判断材料が増えます。
ベンチャー企業は「数を打つ」ことも重要

もう一つ大切なのが、
最初から一社に絞らないことです。
日本には非常に多くの企業があります。
「ベンチャー」といっても、
- 社員数10人の会社
- 社員数50人の会社
- 数百人規模の会社
- メガベンチャー
- 創業直後のスタートアップ
- ある程度事業が安定した企業
など、実態はまったく違います。
だから、
「ベンチャーはやめとけ」
という言葉だけで判断するのも、
「ベンチャーなら成長できる」
という言葉だけで判断するのも、どちらも危険です。
私なら就活では複数のベンチャーを見ます。
そして、
「この会社とあの会社は何が違うんだ?」
と比較します。
比較して初めて、その会社の特徴が見えてくるからです。
求人票も必ず精査しよう

「若手から裁量権!」
「圧倒的成長!」
「20代で経営者を目指せる!」
こういった言葉を見たら、私はむしろ、
「具体的には何をするんだろう?」
と考えます。
例えば「裁量権がある」なら、
「入社1年目で実際にどこまで意思決定できますか?」
と聞いてみる。
「新規事業に関われる」なら、
「新卒社員が実際に新規事業に関わった事例はありますか?」
と聞いてみる。
「若手が活躍している」なら、
「直近で新卒入社した方は現在どんな仕事をしていますか?」
と聞いてみる。
抽象的な言葉を、具体的な事実に変えていくわけです。
これだけでも企業選びの精度はかなり変わると思います。

新卒でベンチャーに向いている人

ここまでの話を踏まえると、私は次のような人なら新卒ベンチャーを検討してもいいと思っています。
変化が多い環境を楽しめる人
昨日と今日で仕事内容が変わる。
新しい仕事を突然任される。
会社の方針が変わる。
こうした環境を「面倒」ではなく「面白い」と思える人です。
自分から動ける人
「次は何をすればいいですか?」
だけではなく、
「ここが問題なので、こうしてみてもいいですか?」
と自分から動ける人。
小規模な会社ほど、この違いは大きくなるでしょう。
会社の理念や商品に本気で共感できる人
これは私自身の経験から特に重要だと思っています。
「この会社の商品を世の中に広めたい」
「このサービスには価値があると思う」
「この事業を大きくしたい」
と思えるなら、多少大変な環境でも踏ん張りやすくなります。
逆に、
「とりあえず成長できそうだから」
だけで入ると、仕事内容や人間関係でつまずいたときに支えになるものがなくなりやすい。
逆に、新卒ベンチャーを慎重に考えたほうがいい人

もちろん、安定性を最優先したい人なら、無理にベンチャーを選ぶ必要はありません。
例えば、
「決まった環境でじっくり仕事を覚えたい」
「教育制度が整っている会社がいい」
「福利厚生や制度を重視したい」
「会社の急激な変化はストレスになる」
という人。
こうした価値観なら、大企業や規模の大きな企業のほうが合う可能性があります。
これは「ベンチャーに行けない」という話ではありません。
単純に、
自分の価値観と会社の文化が合っているか
という話です。
「大企業→ベンチャー」なら失敗しない、とは限らない

よく、
「新卒では大企業に入って、数年後にベンチャーへ行けばいい」
という意見もあります。
これは一つの選択肢としては合理的だと思います。
ただし、私はこれも絶対ではないと思っています。
大企業に入ったからといって、必ずしも自分に合うとは限らない。
逆に、新卒でベンチャーに入ったからこそ、大きく成長できる人もいます。
結局、
どちらが正解かではなく、何を目的に会社を選ぶか
が重要です。
私自身、工場勤務から29歳でベンチャーに入りました。
一般的に考えれば、かなり遅い挑戦です。
それでも2年間働けたのは、少なくとも私の場合、会社とのカルチャーフィットがあったからだと思っています。
だからこそ、
「新卒ベンチャー=危険」
という単純な話にはしたくありません。
新卒でベンチャーに行くなら、これだけはやってほしい

最後に、私が学生に戻ったとして、新卒でベンチャーを目指すならやることをまとめます。
①できるだけ多くの企業を見る
最初から一社に決めない。
複数社を見ることで、それぞれの違いがわかります。
②インターンに参加する
可能なら、実際に仕事をしてみる。
これは会社ガチャを減らすうえでかなり強力な方法です。
③経営者を見る
特に小規模ベンチャーなら、経営者の考え方は重要です。
「この人のもとで働きたいか?」
を自分に問いかけてみてください。
④社員を見る
社員同士の会話、上司との関係、仕事中の雰囲気。
説明会だけではわからないところを見ます。
⑤求人の言葉を具体化する
「裁量権がある」
「若手が活躍」
「成長できる」
という言葉を、そのまま信じない。
「具体的に何をするのか?」
まで確認します。
⑥自分がその会社の文化に合うか考える
最後はここです。
「この会社で3年間働いている自分を想像できるか?」
を考えてみてください。
まとめ|新卒でベンチャーを選ぶからこそ「会社を見極める」

ここまで読んでもらったうえで、私の結論をまとめます。
新卒でベンチャーはやめとけ。
私は、この言葉をそのまま信じる必要はないと思っています。
なぜなら、ベンチャー企業といっても会社によってまったく違うからです。
一方で、
「どこでもいいからベンチャーに行こう」
という考え方もおすすめしません。
特に社員数が少ないベンチャーでは、配属ガチャではなく会社ガチャになる可能性があります。
会社のカルチャーが自分に合えば、若いうちから大きな仕事を任されるかもしれない。
経営者の近くで働けるかもしれない。
20代で役職につけるかもしれない。
逆に合わなければ、相談相手も少なく、逃げ場も少ない環境になってしまう可能性があります。
だからこそ、新卒でベンチャーに行きたいなら、
インターンに行く。
複数の会社を見る。
求人票を精査する。
経営者と社員を見る。
そして何より、
「自分はこの会社の文化で働けるか?」
を考えてほしい。
私自身、工場勤務から29歳でベンチャーに入り、2年間働きました。
その経験から言えるのは、
ベンチャーが危険なのではなく、自分と合わない会社を選んでしまうことが危険
ということです。
新卒という大きなチャンスだからこそ、「ベンチャー」という響きだけで決めない。
逆に「やめとけ」という言葉だけでも決めない。
自分の目で会社を見て、実際に働いてみて、納得したうえで選んでください。
それが、新卒でベンチャーに挑戦して後悔しないために、私が一番伝えたいことです。



コメント