最近、今の職場に入って気付いたことがあります。
新人になった瞬間、自分の声が小さくなっていました。
別に能力が落ちたわけではありません。
知識が消えたわけでもありません。
それなのに以前より萎縮している。
「これ聞いていいんだろうか」
「変なこと言っていないだろうか」
そんなことを一瞬考えてから口を開いている自分がいました。
そこで思い出したのです。
工場で働いていた頃もそうでした。
別の業界へ入った時もそうでした。
そして東京で活動していた時は逆でした。
環境が変わるたびに、人は少しずつ変わっていく。
私はこれを、
「組織の重力」と呼んでいます。
重力といっても物理の話ではありません。
その場所にいるだけで、人の振る舞いや考え方が少しずつ変わっていく力のことです。
そしてこの重力は、想像以上に強力です。
工場には工場の重力があった

私が最初に長く働いたのは工場でした。
工場は年齢や勤続年数が重力になりやすい世界でした。
なぜなら、仕事の多くが経験の積み重ねだからです。
設備を知っている。
工程を知っている。
異常時の対応を知っている。
つまり年輪が力になる世界です。
だから面白いことに、口下手でも尊敬される人がいました。
話が上手いわけではない。
存在感があるわけでもない。
しかし仕事ができる。
だから周囲が認める。
一方で、仕事ができなければ年上でも厳しい扱いを受けることがあります。
荒々しい部分もありましたが、意外とロジカルな世界でもありました。
WEB業界には別の重力があった

その後、私はWEB業界へ入りました。
そこでは工場とはまったく違う重力が働いていました。
私は講師を経験する機会がありました。
今振り返ると、とても興味深い経験です。
講師になるだけで周囲からの見え方が変わるのです。
もちろん実力も必要です。
しかし立場もまた人を作ります。
講師という肩書きがあるだけで、人は話を聞いてくれる。
信頼してくれる。
尊敬してくれる。
そして不思議なことに、自分自身も変わっていく。
声の出し方。
姿勢。
考え方。
行動。
役割に合わせて人は変化していくのです。
講師を降りた時に起きたこと

面白かったのはその後です。
講師を降りてしばらくすると、自分のノンバーバルが落ちていることに気付きました。
発声。
姿勢。
目線。
存在感。
以前より弱くなった感覚がありました。
最初は認めたくありませんでした。
しかし今なら分かります。
立場が自分を支えていた部分もあったのです。
人は完全に個人の力だけで生きているわけではありません。
役割の影響も受けています。
新人になると重力を感じる

今の職場に入ってから、それを改めて感じました。
新人になると萎縮します。
分からないことが増えます。
教わる側になります。
評価される側になります。
すると自然と出力が下がる。
声も小さくなる。
自信もなくなる。
でもこれは能力の問題ではありません。
新人という立場が持つ重力です。むしろ最初から堂々としていられる人の方が少数派でしょう。
忘れられない元上司のこと

私には忘れられない元上司がいます。
仮にKさんとします。
見た目も良く、存在感もありました。
しかし私が尊敬していたのはそこではありません。
この人は本当に人と向き合う人でした。
相手が誰であっても関係ない。
自信がなくても。
人生が上手くいっていなくても。
真正面から向き合う。
そして驚くほど的確でした。
まるで相手の頭の中を見ているようでした。
実際、私も人生を変えられた一人です。
強い人も組織では弱くなる

そんなKさんですら、組織の中では苦しんでいました。
それが当時の私には衝撃でした。
路上では強い。
人前でも強い。
トラブルにも強い。
それなのに組織の中では別の苦しみがある。
その時初めて思いました。
強い人が弱くなることがある。
能力不足だからではありません。
環境によって。
組織によって。
重力によって。
人は変わるのです。
ブログを続ける理由

私は組織が嫌いなわけではありません。
会社も必要だと思っています。
実際、今も会社員です。
ただ一つだけ思うことがあります。
人生の選択肢は多い方がいい。
組織の中だけで生きるのと、組織の外にも立てる状態では、心の余裕がまったく違います。
だから私はブログを書いています。
収益のためでもあります。
でもそれだけではありません。
自分の足で立つ力を育てたいからです。
まとめ

昔の私は、重力があること自体に気付いていませんでした。
だから苦しかった。
自分が弱いのだと思っていました。
でも今は少し違います。
環境が変われば、人は強くもなるし弱くもなります。
講師だった頃の自分も本物です。
新人になって萎縮している今の自分も本物です。
だから大切なのは、強い自分だけを信じることではなく、環境によって変化する自分を理解しておくことなのかもしれません。
そして私は、組織の重力を理解した上で、その外にも立てる力を持ちたいと思っています。
だから今日もブログを書いています。

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