人間、生きていれば怒る瞬間があります。
社会に対して怒ることもあれば、自分自身の至らなさに腹が立つこともあります。
人間関係のなかで、どうしても相容れない相手とぶつかり、強い怒りを感じることもあるでしょう。
「怒ってはいけない」
「感情的になるのは未熟だ」
「怒りを感じたら、すぐに落ち着かなければいけない」
そんなふうに考えて、怒りを抑え込もうとする人も多いのではないでしょうか。
しかし、私は少し違う考え方をしています。
怒りそのものが悪いのではありません。
大切なのは、その怒りをどう使うかです。
怒りは、扱い方によっては自分を傷つける火にもなります。
一方で、うまく扱えば、自分を前に進める強烈なエネルギーにもなります。
この記事では、怒りを爆発させるのでも、無理に消すのでもなく、人生を前に進めるエネルギーへ変える方法について考えていきます。
怒りは「悪い感情」ではなくエネルギーの一つ

私は、怒りを「エネルギー」の一つだと考えています。
目には見えません。
しかし、怒っているときの自分を思い出してみてください。
普段なら面倒に感じることでも、
「絶対にやってやる」
「このままでは終われない」
「もっとできるようになってやる」
と、猛烈な行動力が湧いてくることがあります。
それだけ怒りには、人間を動かす力があります。
もちろん、怒りに任せて人を傷つけたり、物を壊したり、衝動的な行動を取ったりすれば、自分にも周囲にも大きな損害を与えます。
だからこそ重要なのが、怒りのエネルギーをどこへ向けるかです。
私は怒りを「ガソリン」にたとえると分かりやすいと思っています。
ガソリンは、エンジンに適切に供給されれば車を動かします。
どこまでも自分を運んでくれる燃料になります。
しかし、ガソリンをそこら中にまき散らして火をつければ、大惨事になります。
怒りも同じです。
エネルギーそのものが問題なのではなく、使い方が問題なのです。
私自身も「怒り」という感情について考えるようになった

私は以前、人間の感情を扱う事業を行っている会社で働いていました。
現在はブログを運営していますが、ブログもある意味では人間の心理を扱う仕事です。
「人は何を知りたいのか」
「なぜこの言葉に反応するのか」
「どんな悩みを抱えて検索するのか」
そうした人間の心理を考えながら、記事を書いています。
そんな経験もあって、人間の感情について考える機会は比較的多くありました。
そして、ふと考えたことがあります。
成功したい人は多いですよね。
私自身も成功したいと思っています。
では、成功している人は怒らないのでしょうか。
私は、むしろ逆なのではないかと思うことがあります。
強烈な成果を出した人の中には、社会への不満、自分への悔しさ、周囲への反発など、非常に強い感情をエネルギーに変えてきた人がいます。
重要なのは、怒らないことではありません。
怒りを何に使ったのか。
そこに大きな違いがあるのではないでしょうか。
怒りを感じたら「6秒待つ」だけで終わらせない

怒りへの対処法として、「怒りを感じたら6秒待つ」という考え方を聞いたことがある人もいるでしょう。
たしかに、怒りを感じた瞬間に衝動的な行動を取らないことは重要です。
怒った勢いで相手に暴言を吐く。
勢いでメッセージを送る。
仕事を辞めると決断する。
人間関係を壊す。
こうした行動は、後から取り返しがつかなくなることがあります。
だから、まずは一度止まる。
これは大切です。
ただ、私はそこで終わりではないと思っています。
6秒待ったからといって、怒りそのものが消える必要はありません。
むしろ、
「怒りを感じた。だから、今すぐ使わない」
と考えてみてはどうでしょうか。
怒りを消すのではなく、いったん安全な場所に置くのです。
そして落ち着いたら、その怒りを観察してみます。
怒りを感じたら「自分は何に怒っているのか」を考える

怒りを感じたとき、ただ、
「ムカつく」
で終わらせてしまうことはありませんか?
ここから一歩踏み込んでみます。
私は何に怒っているのか?
誰に怒っているのか?
なぜ、これほど腹が立ったのか?
たとえば、次のようなものが隠れているかもしれません。
- 自分の努力を認めてもらえなかった
- 能力を否定されたように感じた
- 大切にしている価値観を否定された
- 不公平な扱いを受けた
- 自分の時間を奪われた
- 正義に反することをされた
- 自分自身の未熟さが悔しい
- 本当は認めてもらいたかった
- 相手に言われたことが正論なのに、納得できない
- 自分が目指しているものを邪魔されたように感じた
怒りには、何かしらの「大切にしているもの」が隠れていることがあります。
だから怒りを分析すると、自分が何を大切にしている人間なのかまで見えてくることがあります。
怒りを否定せず、まず「怒っている自分」を認める

ここも重要です。
怒りを感じたとき、
「こんなことで怒るなんて自分はダメだ」
「大人なんだから怒ってはいけない」
「怒るなんて恥ずかしい」
と、自分自身を責めてしまうことがあります。
しかし、それでは、
怒りを感じる → 怒っている自分を否定する → さらに苦しくなる
という循環に入ってしまうことがあります。
まず、
「俺はいま怒っている」
と認める。
それだけでもいいのです。
怒っていることを認めることと、怒りに任せて行動することは別です。
感情は認めても、行動は選べます。
ここを分けて考えることが、怒りを扱ううえで重要なのだと思います。
怒りの「放出先」をあらかじめ決めておく

怒りを感じてから、
「さて、どうやって発散しよう?」
と考えるより、事前に自分なりの出口を決めておくことをおすすめします。
たとえば、
- 筋トレ
- ランニング
- 散歩
- 掃除
- ブログを書く
- 絵や音楽などの創作
- 勉強
- 仕事に集中する
- ノートに感情を書き出す
などです。
ポイントは、怒りをぶつけても誰かが傷つかないこと。
そして、もう一つ大切なのが、
その行動が自分に何かを残してくれること
です。
これを私は「積み上がる出口」と考えています。
「刹那的な発散」から「積み上がる行動」へ

怒りを発散する方法には、いろいろあります。
その場ではスッキリするものもあるでしょう。
しかし、私はここで一つ考えてみてほしいと思います。
その行動は、翌日の自分に何を残してくれるでしょうか?
たとえば、怒りやストレスからお酒を飲んだとします。
その瞬間は嫌なことを忘れられるかもしれません。
しかし、翌日には何も積み上がっていないことがあります。
一方で、同じ怒りを筋トレに向けたらどうでしょうか。
その日の怒りが、
- 筋力
- 体力
- 体型
- 運動習慣
- 自信
へと積みあがっていきます。
怒りという同じエネルギーでも、出口を変えるだけで、結果が変わります。
「消費する」のではなく、「変換する」。
これが怒りをエネルギーとして使うときのポイントです。
怒りを「成長」に変える

たとえば、
「自分はもっとできるはずなのに」
という悔しさがあったとします。
そこで誰かを攻撃するのではなく、
「じゃあ、もっとできるようになろう」
と考える。
仕事の勉強をする。
資格を取る。
本を読む。
スキルを磨く。
ブログを書く。
運動する。
こうした行動に怒りのエネルギーを流していきます。
すると、最初は「見返してやる」という気持ちから始めた行動が、少しずつ自分自身の成長へ変わっていきます。
最初の動機が怒りでも構いません。
重要なのは、怒りの対象から、自分自身の目的へと意識を移していくことです。
「あいつを見返す」から「自分はどうなりたいのか」へ

怒りを原動力にするとき、一つ注意したいことがあります。
「見返してやる」という気持ちは、非常に強いエネルギーになります。
しかし、いつまでも誰かを中心にして生きていると、その人に人生を支配されてしまいます。
だから最初は、
「見返してやる」
でもいい。
そこから、
「もっと仕事ができるようになろう」
へ変わる。
さらに、
「自分はこういう人間になりたい」
へ変わる。
最終的には、
「別に誰かを見返さなくても、自分がやりたいからやっている」
という状態を目指す。
ここまで来れば、怒りはもう必要ありません。
怒りを燃料にして走り出し、最後には自分自身の目的で走れるようになる。
これが、怒りをうまく昇華するということなのではないでしょうか。
怒りを感じたときの「5ステップ」

ここまでの話を、実際に使える形にまとめます。
STEP1:止まる
怒った瞬間に行動しない。
相手に返信しない。
攻撃しない。
大きな決断をしない。
まず時間を置きます。
STEP2:怒りを認める
「自分はいま怒っている」
と認めます。
怒っていること自体を悪いことにしません。
STEP3:怒りの正体を分析する
「何に怒っている?」
「誰に怒っている?」
「なぜ、ここまで腹が立つ?」
と考えます。
その裏にある価値観や欲求を探します。
STEP4:出口を選ぶ
筋トレでも、ランニングでも、掃除でも、創作でも、勉強でも構いません。
自分に合った安全な出口へエネルギーを流します。
STEP5:未来に残る行動へ変換する
最後に、
「この怒りを使って、明日の自分に何を残せるだろう?」
と考えます。
これができれば、怒りは単なる嫌な感情ではなくなります。
怒りを感じたら「ラッキー」と思えるところまでいく

ここまでできるようになると、少し面白い変化が起きるかもしれません。
以前なら、
「最悪だ。なんでこんなに腹が立つんだ」
と思っていたところで、
「お、すごいエネルギーが来たな」
と考えられるようになる。
そして、
「今日は筋トレするか」
「ブログを一本書くか」
「勉強を進めるか」
と、行動へ切り替える。
そうすると、怒りを感じるたびに何かが積み上がっていきます。
筋トレなら身体が変わる。
勉強なら知識が増える。
ブログなら記事が増える。
仕事ならスキルが増える。
そうやって、怒りという一見ネガティブな感情が、自分の未来を作る材料になっていきます。
怒りは「ガソリン」。でも、ハンドルを握るのは自分

ここまで読んでいただいた方に、最後に一つ伝えたいことがあります。
怒りを無理に消す必要はありません。
しかし、怒りに運転させてもいけません。
怒りはガソリンです。
エンジンに適切に供給すれば、車を遠くまで走らせてくれます。
でも、ガソリンを道路に撒いて火をつければ、車を動かすどころか自分自身を傷つけます。
だから、
怒りを感じたら止まる。
怒りを理解する。
怒りを認める。
そして、使い道を選ぶ。
この順番が大切なのだと思います。
人生には、自分ではどうにもならないことがあります。
人から否定されることもある。
努力が報われないこともある。
不公平な扱いを受けることもある。
自分自身の未熟さに腹が立つこともある。
それらを完全になくすことはできません。
だからこそ、
怒らない人になることより、怒りを扱える人になる。
そのほうが、現実的なのではないでしょうか。
そして、怒りを感じるたびに、自分の人生に何かを積み上げていく。
そうなれば、いつか、
「あのとき怒ったから、今の自分がある」
と思える日が来るかもしれません。
怒りは、あなたを破滅させるエネルギーにもなります。
同時に、あなたを前へ進めるエネルギーにもなります。
そのエネルギーをどこへ向けるのか。
ハンドルを握るのは、あくまで自分自身です。
まとめ|怒りを消すのではなく、未来に変える

怒りをエネルギーに変えるポイントは、次の5つです。
- 怒った瞬間に衝動的な行動をしない
- 怒っている自分を否定しない
- 「何に怒っているのか」を分析する
- 自分なりの安全な放出先を決めておく
- 刹那的な発散ではなく、未来に積み上がる行動へ変える
怒りは、扱い方次第で毒にも薬にもなります。
だからこそ、怒りをなくそうとするのではなく、自分の人生を前に進めるために使う方法を考えてみる。
それだけでも、怒りとの付き合い方は大きく変わるはずです。
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